史蹟、神社、仏閣、名所 - 指ケ谷町 浄雲寺

浄雲寺

播稲山浄雲寺は指ケ谷町百五番地にある。 浄土宗伝通院末寺、寛永五年高山右近之助発心して白誉浄雲の起立にて居宅を以て寺院となしたが、発心者の身分で一寺の開山たることを憚って、伝通院第八世頓誉上人に願ふて同院の所化然蓮社誉玄廓木阿を迎へて住職とし自分は傍らに草庵を結びて閑居すと云ふ。 境内に見送延命地蔵尊がある。 其の略縁起は左の通りである。

抑も当寺に安置し奉る地蔵尊は、弘法大師の御作にましヽて霊験無比類の尊像なり。 其の利益多きが中にも延享三年寅夏、湯島天神女坂下何其の娘に、死霊付て悩むこと数日なりしに此尊像往來し給ひて。 死霊の苦を救ひ、安養国に送り立地に娘の苦悩やみて今に存命せり。 又芝窪町御屋鋪何氏の一子疱瘡の節、三時斗り落入りしが、尊像同道したまひて蘇生あり、或ぼ婦人の難産又は修俗男女の出世をまもらせ給ふことあげてかぞふぺからず、皆世人の知る処なり云々、宝暦壬午年大月浄雲寺現住。