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序
白山三業組合創立二十周年を記念して「白山繁昌記」を編纂いたしました。 顧みまするに、我が白山三業組合が始めて呱々の産声を挙げたのは明治四十五年六月二十四日でありました。 当時、此の指ヶ谷町附近は今日の如き立派な町ではなく、極めて粗雑な家屋の立並んだ田舎町にも等しいものでありましたが、其の後、白山花街の発展と共に指ヶ谷町を中心とせる附近一帯の発達は非常なものでありまして、街衢も整ひ家屋店舗も美観を呈し、白山附近の繁昌振りは区内の誇りとなすに足ると存ずる次第で、誠に慶賀に堪えないのであります。 茲に於きまして、我が白山三業組合の二十周年の記念に「白山繁昌記」を上梓して江湖諸賢の清覧を仰ぐことも必ずしも意義なき事ではないと信ずるのであります。
昭和七年十二月
白山三業株式会社
秋本平十郎